伝説のミレジムとは、自然の大いなる恵みが人間のノウハウと結びつき、限りなく豊かな味覚の感動をもたらすワインが生まれた、例外的な収穫年を指します。アンジェリュスのシャトー史に密接に結びついた、突出したミレジムの数々をここで紹介します。
このヴィンテージも、ボルドーの類稀な当たり年のひとつに数えられます。アンジェリュスのワインは多くの著名なワイン評論家から優れた評価を受け、全てのワイン専門家から圧倒的な支持を受けています。このミレジムを特徴づけているのは、他に類をみない抜群のハーモニー、力強さと清涼さのバランス、そして際立つアロマです。
2000年という新しいミレニウム(千年紀)の始まりにふさわしい、素晴らしいミレジムが誕生しました。あらゆる最上級の賛辞を惜むことなく使えるほどの出来栄えです。恍惚なフルーツを感じるワインを口に含むとその豊満さに満たされ、言い尽くせないほどの凝縮感と、タンニンの見事なストラクチャーに、ただただ唸るばかりです。
シャトー・アンジェリュスがサン=テミリオンのプルミエ・グラン・クリュ・クラッセB(第一特別級B)に格付けされた年です。濃度の高い色のワインから、カシスリキュールや、なめし皮のアロマが広がります。口当たりは濃密で、力強く、ストラクチャーも明確です。このミレジムは、伝統的なグラン・ミレジム(偉大な収穫年)のワインならではのあらゆる複雑な側面を持ち合わせています。
困難な年であればあるほど、偉大なテロワールはその違いを表現し、卓越を目指します。1992年の気候条件は非常に厳しいものでしたが、ぶどう畑での入念な手入れが文字通り実を結び、アンジェリュスは、ボルドーのワイン史の中でも模範的なグラン・ヴァン(大いなるワイン)を生み出すという快挙を遂げました。インク色のローブに香るのは、ブラックベリー、レグリス(甘草)、タバコと、ほのかな下草の余韻。口当たりは豊満かつビロードのようになめらかで、密度とバランスの高いタンニンが、テイスティングの時間を恍惚で満たします。
ユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレ氏がシャトーのオーナーとなり、指揮を取り始めたこの年は、ぶどう畑だけでなく、酒蔵での全ての決定が、彼一人の手にゆだねられることになりました。1985年はこのように、氏の初心の志を、ぶどう畑での手入れやワイン醸造における作業にそのまま実践したミレジムとなります。そして彼自身も認めているように、スタートとなったこの年は、贅沢なメルロを授けてくれた自然に大いに助けられました。ビロードのようになめらかで魅惑的なミレジム1985は、甘美なタバコの余韻が残る、ローストフレーバーが特徴です。
ジャックとクリスティアン・ド・ブラール・ド・ラフォレのぶどう収穫手帖の記録によると、このグラン・ミレジムの収穫は9月29日から10月17日にかけて行われたということです。
ごく稀に、シャトーでワインを何本か開栓することがあります。その都度、オレンジといちじくのジャムにタバコが混ざった表現力豊かなブーケは健在で、心地よい清涼感の余韻の中に、しっかりとしたストラクチャーの存在を愉しむことができます。
シャトー・アンジェリュスのカーヴに残る最古のボトルです。歴史の証人として、そして「子孫」を暖かく見守る番人として、カーヴに君臨します。