「ラフランシ」は、アンジェリュスのアイデンティティを表現したワイン。
バランス豊かで、張りがあり、フレッシュで、調和的。
偉大なる古典的スタイルを保持しながらも、真のエレガンスと純粋さにあふれています。
穏やかな春は、定期的な降雨に見舞われた結果「べと病」が猛威を振るい、ブドウ生産者
にとっての大きな試練となりました。こうした絶え間ない重圧のため、私たちは、収穫にこぎ
つけるべく、そして十分な成熟を促すべく、機械的かつ予防的な手入れ作業を強いられまし
た。やがて、寛大なミレジムを約束するかのような、開花に理想的な、乾燥した晴天の日々
が続きました。
涼しく、時おり夕立ちの降る夏の間、ブドウ畑には十分な太陽光と水が供給されました。
厳格かつ不断の予防措置が施されたことで、病の脅威は完璧にコントロールされました。
数週間、ブドウの味を確認しながら、運命の収穫の日が訪れるのを待ちました。
パーセル( 区画)ごとに、最適な熟成度と完璧なバランスのブドウを収穫し醸造
できるよう、メルロの収穫作業は9 月1 4 日から同月2 5 日まで続けられました。
果皮が厚く、複雑なアロマを持った完熟のカベルネ・フランについては、9月25日か
ら10月2日にかけて、収穫に最適な条件をクリアした果実を少しずつ収穫しました。
テイスティングノート
ローブは輝き、紫色で、非常に濃厚。このミレジムのアロマや特徴は、
収穫からエクラージュまでしっかりと保たれた。最初に香り立つのは、フローラル香、
そしてブラックベリーの弾けるような香り。空気に触れることで複雑となり、
やがてミネラル感あふれるグラファイト(黒鉛)と僅かなミント香を感じる。
口に含むと、カベルネ・フランの特徴であるスパイシーさにより際立った
フレッシュでパワフルなアタックが広がる。すでに « グラン・ヴァン(偉大なるワイン) »
の名に恥じないワインを支えるのは見事に取り込まれた控え目なオーク。
長く続く余韻は、このミレジムを特徴づけるフレッシュさ、酸味、
エアリーなタンニンによってもたらされ、緊張感と偉大なエレガンスに満ちあふれている。
TEXTE 2022 - ぶどうの成熟と最適なpHを反映した濃紫のニュアンスの、ほぼ黒に近い、非常に深く濃密に輝くローブ。
果汁豊かな野生のサクランボや黒イチゴといった、ブラックベリー類の強いアロマの香り。続いて、ボタンやスミレのような、気品あふれるフローラルなノートが展開する。
洗練されたタンニンにより、マイルドでなめらかにに持続するストラクチャーを感じることができる。テイスティングはやがて、フレッシュさとハーモニーに満たされる。
最高峰のメルロと個性的なカベルネ・フランの、純粋で完璧なアサンブラージュのおかげで、稀にみる上品な仕上がりのミレジムとなった。
TEXTE 2021 - ぶどうの成熟と最適なpHを反映した濃紫のニュアンスの、ほぼ黒に近い、非常に深く濃密に輝くローブ。
果汁豊かな野生のサクランボや黒イチゴといった、ブラックベリー類の強いアロマの香り。続いて、ボタンやスミレのような、気品あふれるフローラルなノートが展開する。
洗練されたタンニンにより、マイルドでなめらかにに持続するストラクチャーを感じることができる。テイスティングはやがて、フレッシュさとハーモニーに満たされる。
最高峰のメルロと個性的なカベルネ・フランの、純粋で完璧なアサンブラージュのおかげで、稀にみる上品な仕上がりのミレジムとなった。
ぶどうの成熟と最適なpHを反映した濃紫のニュアンスの、ほぼ黒に近い、非常に深く濃密に輝くローブ。
果汁豊かな野生のサクランボや黒イチゴといった、ブラックベリー類の強いアロマの香り。続いて、ボタンやスミレのような、気品あふれるフローラルなノートが展開する。
洗練されたタンニンにより、マイルドでなめらかにに持続するストラクチャーを感じることができる。テイスティングはやがて、フレッシュさとハーモニーに満たされる。
最高峰のメルロと個性的なカベルネ・フランの、純粋で完璧なアサンブラージュのおかげで、稀にみる上品な仕上がりのミレジムとなった。
ローブは赤紫色に近い色で、黒い輝きを放っている。このミレジムのポ イントは、ブラックベリー、野生のサクランボの、はじけるようなノート を持った非常にピュアなアロマである。木の香りはもう完全になじんで いる。口に含むと甘美なアタックが広がる。タンニンはカシミアのよう に包み込み、優しいタッチが広がる。高品質で均質のカベルネ・フラン のお陰で、スパイシーかつメントール感にあふれた、爽やかに引き締ま ったファイナル。この端正かつ正確なワインは、アンジェリュスのテロワ ールが本物であることを体現している。そして、自身のエレガンスを主 張する、情熱にあふれたワイン。グラン・ミレジムの仲間入りに遜色な し。
素晴らしくフレッシュなメルロ、粘土石灰質土壌に育つ古樹のカベルネ・フランから丁寧に抽出し、偉大なシャトー・アンジェリュスのミレジムが誕生。深いカラーに目を奪われる。パーフェクトにピュアなアロマ(毎日の手入れの賜物)がブラックベリー類のノートと調和し、香りを楽しませてくれる。口に含むと軽い甘み、やがて洗練されたビロードのようなタンニンとともにエレガントな緊張が広がる。アルコール(2010年の水準以下)と木の香りが完璧に溶け込んでいる。カベルネ・フランのエレガンスとフルーツの純潔さに支えられ、デリケートなスパイスのノートが際立った余韻のファイナル。
非常に早いタイミングの発芽により幸先の良いスタートであったはずが、4月終わりにボルドーのぶどう畑全体に大打撃を与えた霜により、このミレジムにブレーキがかかってしまった。自然の恩恵に守られているアンジェリュスでは、この災いの打撃はほとんど受けずに済んだが、影響を受けた小さなエリアで徹底した選定作業を実施した。その後は、申し分のない開花に続き、6月の非常に高い気温が、すぐれた実を育むためのエネルギーとパワーをぶどう樹に与えるなどして、素晴らしく順調に進んだ。やや涼しく乾燥した夏のおかげで熟成はじっくりと、かつ均等に進み、果実特有のはじけるような香りが育まれた。夏の終わりに降雨があったものの、ぶどうは熟成に達しており、私たちは9月13日の収穫開始を決定。ワインの色合いは深く鮮やかで、鮮やかな果実のアロマと澄み切ったテイストで魅了する。口に含めば濃密なタンニンはシルキーでなめらか。抜群の存在感により、爽やかなボディーとのバランスも抜群で、飲むたびに力強さと、本能的な欲求、そして長い余韻を愉しむことができる。2017年のアンジェリュスは、調和のとれた、鮮やかな光を放つミレジムだ。
降雨なしの3ヶ月の夏。ぶどう栽培家になってから、こんな気候には覚えがなほどの異例の事態だ。だが、この驚異の気候は、信じがたい好条件となり、予測外の、思いもよらぬ最高級ヴィンテージをもたらしてくれたのだった。6月10日までは連日の大雨に見舞われ、水不足の年の1年分の降雨量に相当する約750㎜がボルドーを襲った。このような条件下であったにも関わらず、開花には問題なかった。6月の最終週になると好天続きとなり、非常に稀なのだが、この天候はブドウ収穫期まで継続した。7月は天気が良かったものの、夜間は冷え込んだ。7月末の太平洋の温度は例年より低くなった。そして雨は一滴も降らなかった。8月は気温が上昇し、35℃を超す真夏日も数日記録した。しかし、8月を通じての日中と夜間の温度較差は非常に大きく、夜間は日中の半分まで涼しくなったことから、ぶどうのアロマの表現が豊かになり、果実の瑞々しさが保たれた。これに加え、降水はほとんど観測されず、わずか5~8㎜に留まったものの、ぶどう樹が乾燥しないギリギリの状態を保つことができた。まだ年齢の浅い若樹には水不足が堪えはじめたものの、粘土質や石灰質の土壌に植えられたヴィエイユ・ヴィーニュ(古木)は、雨季にスポンジのように雨水を吸い、乾季に貯蔵水として配給する類稀な土壌のお蔭で、まったく動じない様子であった。
「私がぶどう畑を見守り続けて35年が経過しているが、例年であれば7月14日から8月15日にかけて夕立が降るものだ。しかしこの年には夕立らしきものは一度も降らなかった。9月になっても、暑さを伴う夏の陽気が続いた。28℃~30℃は日常的な気温だった。9月半ばに大規模な夕立の予報があり、誰もがやきもきした。しかし白い雲や鉛色の雲の間から落ちてきたのは、慈悲の雨であった。19㎜、そして4㎜の雨。この降水で土壌にエネルギーが満ちわたり、ぶどう畑に力強さと息吹きをもたらした。やがて再び好天となる。タンニンの成熟は緩やかに行われ、グラン・ヴァンのための収穫が10月初旬に開始した。夏の夜の清涼のお蔭で、アロマと酸味に恵まれた。その後2週間の天気予報により、穏やかで自由な収穫が見込まれ、アンジェリュスに新たなグラン・ミレジムが誕生する期待が大きく膨らんだ。このミレジムは、ワインの運命を定め、アイデンティティを刻み込んだこの3か月の夏と同じく、眩(まばゆ)いものとなった。」
2015年は神の加護を受けたような夢のような年で、春から収穫までの気候は申し分なく、どの工程も最適な条件の下で行う事ができた 。均等な開花ののち、ぶどう樹の生育に必要な適量の降雨があり、6・7月は非常に乾燥した気候だった。ぶどうの成熟期も何ら問題はなく、樹木は非常に早い段階で成熟し始めた。8月にはいくらか恵みの雨が降り、それに加え穏やかな気温のおかげで、ぶどう樹は順調に育ち、果実はバランス良く熟した。9月になると、日中は陽光に恵まれ、夜は涼しく、幾度かの夕立ちによりタンニンが成熟した。ぶどうの果実は極上の一語に尽きる。希有で崇高な瞬間だ。
ぶどう畑も非の打ちどころのない健全ぶり、加えて素晴らしい気候条件に恵まれたお陰で、秋のはじめになると、素晴らしいぶどうを「アラカルト」で、ほぼ一ヶ月に渡って摘み取ることができたのだ。
アンジェリュスのメルロの収穫は9月22日から行われた。果実は熟しているが、過熟することなく、歯ごたえも良く、極めて瑞々しい。
カベルネ・フランはアンジェリュスの珠玉であるが、これもまた見事な出来映えで10月8日から収穫が開始された。カベルネ・フランは主役ではないにも関わらず、ここでは栽培面積の約半分を占めている。この品種特有のシルキーななめらかさ、繊細さ、緻密さは、新たなミレジムの昇華に大いに貢献するだろう。
2015年はアンジェリュスにとっての秀逸なミレジムだ。力強さと洗練さが見事なまでのバランスを保っている。成熟した、瑞々しい果実の濃厚なアロマ、甘美で率直なアタック、きめ細かくビロードのように滑らかなタンニン、そして極上の純粋さ。太陽の恵みを受けたミレジムの魅力の全てが、そこにある。その中にバロックとも言える華麗でクラシカルなタッチがあり、長く続く余韻の爽やかさと緊張がもたらすのは、風格と気品である。
グラン・ミレジム(大いなる収穫年)となったこの年は、気難しい春に始まり、不安に満ちた夏が続いた。しかし決して諦めないという意志は固く、ぶどう畑の声に耳を傾け、何を必要としているのか心を配り続ける。そして8月25日を過ぎると日を追うごとに気候が安定しはじめ、自信を取り戻す。リスキーではあったが、ぶどう収穫までもう少し待つという決断を下す。やがて黄金に光り輝く、暑くて素晴らしい10月の到来。メルロの古樹の収穫を数日ほど延期し、カベルネ・フランが完熟するまでもう少し待つことになった。
ブーケは純粋でエレガント。アタックは的確で、ストラクチャーは徐々にそのパワーを増し、やがて素晴らしい質のタンニンとボディーの緻密なバランス、つまり緊張感と爽やかさの絶妙なバランスへと到達する。アッサンブラージュされた50%のカベルネ・フランが洗練されたタンニンの骨格をさらに昇華させ、長い余韻の、複雑なファイナルを愉しむことができる。
降り続く春雨の影響を受け、花流れや受粉の不完全による結実不良が見受けられたものの、7月と8月は、ことのほか日照と乾燥に恵まれたため、ぶどう果実の基本的な形成は問題なかった。つまり良好な条件下で、ぶどうの果皮のポリフェノールの形成と果実の熟成が行われたのだ。清涼感、エレガンス、フルーティーさと上品なタンニンが、この新たなミレジムを特徴づけている。
2012年のミレジムは、春の天候が破滅的という幸先の悪いスタートだった。が幸いにも、ぶどう果実の形成に申し分ない7月と8月を迎えることができた。
ピュアな果実のアロマが香り立つ豊かなブーケが特徴。最高品質のカベルネ・フランがストラクチャーに余韻を与え、メルロのビロードのようななめらかさや柔らかさに寄り添うことで、ワインはよりエレガントに、正確に仕上がっている。
未だかつてない悪天候に対応するため、シャトーのスタッフたちは、草生栽培の管理、土壌の作業、除葉、早めの摘果と、休むことなく働いた。成熟した果実の純粋なアロマから始まるワインは、ストレートなアタックののち、上質かつシルキーで緻密なタンニンが贅沢に広がり、やがて素晴らしくエレガントなファイナルに満たされる。
この収穫年の天候は、ぶどう栽培者に寛大だった。ぶどう樹の病気も少なく、涼しい夜と日照りの日中が交互に訪れ、ポリフェノールの生成が促進された。
クラッシックなこのミレジムは驚くほど味わい豊かで、並外れて精確だ。深淵の黒に、力強くピュアなアロマ、タンニンの見事なストラクチャーが結びつき、得も言われぬ緻密さを表現している。贅沢なカベルネ・フランがもたらす芳醇さはエレガントな清涼感と結託し、この素晴らしいミレジムの長期熟成を約束している。
この収穫年は申し分ない気象条件に恵まれ、ぶどう果実の完熟に良い結果をもたらした。ワインには艶があり、色はインクの黒。はっきりとした果物のアロマは成熟した香りを放つが、ジャムのような濃厚さはない。レッドチェリー、ラズベリー、木いちごの果実それぞれの香りを確認できる。口当たりは、ボディーがしっかり凝縮されているものの、重くなり過ぎない。脂のようなボリューム感と、渋くもなめらかなタンニンが完璧なバランスを奏でる。ワインは力強く濃厚だが、ヴェルヴェットのようにしなやかで緻密である。
ぶどう畑は申し分のないすこやかな状態であったため、収穫は遅めの10月3日スタートとなった。晴天のもと、パーセル(区画)のぶどうの熟れ具合によってアラカルトに収穫が実施された。深みのある黒のメルロと、アンジェリュスのテロワールの恩恵を余すところなく受けたカベルネ・フランが、他に類を見ないほど濃密で肉付きの良いワイン(厚みがあり、脂のようなボリューム感と丸みを併せ持つ)を生みだした。アロマはブラックベリーとプラムを感じさせ、そこに軽いフローラルとミネラルのノートが加味される。口当たりは爽やかで余韻が長く、凝縮感はなめらかで気品に溢れる。
初夏の気象条件があまり良好ではなかったことから、7月と8月は、ぶどう樹それぞれの状態を見極めた特別な手入れが行われた。9月の晴天が、ぶどうの成熟の好条件として作用したため、風味とアロマが開花し、タンニンはきめ細かくなった。テイスティングでの外観は極めて深い色調、香りは果実にミネラルのノートの加わった素晴らしいアロマ、そしてシルキーで爽やかなテクスチャーの味わい。ファイナルは長く純粋な余韻に酔いしれる。
年初めは季節が前倒しだったが、8月と9月初めの気象条件がぶどうの成熟を遅らせたことから、長期熟成を保証するフレッシュな味わいを引き出すことに成功した。ぶどうが完熟し、申し分なく健全な状態であったことから、精確な作業を行うことができた。ワインは濃縮度が高く、大変素晴らしい果実のアロマに、わずかなローストのノートを感じる。パワフルで、バランスがあり、優雅さあふれるフレッシュなワインに仕上がった。
非常に深刻な水不足にも関わらず、成熟に適した気温に恵まれた特異な年だった。すこやかでバランスの取れたぶどう果実の質の高さは記憶に残る。このミレジムは調和が取れ、パワーと爽やかさの抜群のバランス、そして精確なアロマによって特徴づけられている。
当初は不安要素の多い天候であったものの、8月の末に安定し、10月の半ばまで絶好の条件だった。ゆっくりとした成熟がワインの繊細な表現を促進した。テイスティングでは、漆黒のローブから、ブラックベリー系のアロマが香り立つ。タンニンは贅沢に洗練されている。このミレジムに備わったエレガントさの全てが、バランスに長けた爽やかな余韻に表現されている。
暑さと日照りに恵まれた夏を過ごしたぶどうは、例年以上に豊かに育つ。完璧なバランスで、申し分のないすこやかな果実だ。ワインからはレッドベリーとブラックベリーの素晴らしいアロマが香り立ち、わずかなローストコーヒーのノートと爽やかさを感じる。口に含むと、カベルネ・フランならではの清涼感に包まれる。シルキーなタンニンを軸に、力強さとなめらかさが絶妙なバランスを見せる。フィナルの余韻は非常に長い。
気象条件がカベルネ・フランに特に適していたことから、アッサンブラージュに占めるカベルネ・フランの割合が非常に高くなった。ローブはまばゆいばかりの黒で、果実、ラズベリー、カシスの深いアロマに、スパイシーなノートがデリケートに香り立つ。口に含むと、成熟して上品なタンニンと芳醇なボディーが絶妙なバランスを織りなす。力強さと繊細さが余韻となり、驚くほど長く継続する。
ぶどう果実が完熟になった収穫適期に合わせた時間差収穫のお陰で、極めて繊細で、魅力と緻密さにあふれたワインが完成した。紫の深い艶は長期熟成に耐えうる品質であることを示している。ブラックベリー、スパイスとタバコのアロマが香り立つ。口当たりのバランスは素晴らしく、アタックはビロードのようななめらかさ、アフターフレーバーは均衡のとれたストラクチャーが際立つ。ファイナルはフレッシュなノートの余韻が続き、カベルネ・フランの重要性やエレガンス、繊細さに想いを馳せるだけでなく、長期熟成のポテンシャルを感じさせる。
はじけるような果実と芳醇さを持ち、バランスに長けたメルロが、熟期に完達したカベルネ・フランとブレンドされた。ワインのローブは黒みがかった緋色で、木いちご、プラム、カシスのアロマに、繊細なスモーク香とレグリス(甘草)のノートが加わる。口当たりは芳醇で、驚愕すべき凝縮感があり、タンニンのストラクチャーが素晴らしい。芳醇さと酸味のバランスが格別にフレッシュな余韻を残す。長期にわたる熟成保存が可能なワイン。
メルロのヴィエイユ・ヴィーニュ(古樹)と、厳選されたカベルネ・フランのパーセル(区画)をブレンドしたこのワインは、格調高い濃紫のローブが美しい。アロマは豊かな表現力で、チョコレート、プラム、グリオットチェリーの香りが立つ。口に含むとアタックはまるみがあり、かつヴェルヴェットのようにしなやかだ。ワインは濃厚で、ほんの僅かに香り立つ楚々とした木の香りと、非常にシルキーなタンニンが特徴。ファイナルはエレガントだ。
ことのほか素晴らしい天候に恵まれた8月のおかげで、ぶどうの成熟には全くムラがなかった。ぶどう果実は豊作で、申し分なく健全だ。ワインのローブは濃厚で、豊かなアロマ。プラムや木いちごなどの果実にコーヒー、チョコレート、わずかなスモーク香、レグリス(甘草)のフレッシュなノートが特徴。グラン・ミレジム(偉大な収穫年)ならではの、タンニンの質の高さと精確さがある。
開花の重要な時期に寒気に見舞われてしまったこと、そしてぶどうの成熟に時間を要したことで、ただでさえ生産量が少ない中、収穫時に厳格な選果を行わざるを得なかった。これにより、しっかりと成熟したぶどう果実のみを収穫することができた。このミレジムはなめし皮、タバコ、ドライプラムの砂糖漬けのアロマが特徴的である。口に含むとシルキーでエレガント。ファイナルは非常にバランスがいい。
暑さと涼しさ、雨季と乾季が入れ替わり訪れる、気候の不安定な年だった。しかしメルロは芳醇で繊細、カベルネ・フランはかつてないほど濃密でフルーティーだ。ローブは色鮮やかで、カシスリキュールやなめし皮のアロマが際立つ。口に含むと濃厚で力強く、ストラクチャーが明確だ。このミレジムは、伝統的なグラン・ミレジム(偉大な収穫年)のワインならではのあらゆる複雑な側面を持ち合わせている。
天候に恵まれた上に、ぶどう生産量を制御できたことで、ぶどう果実は完璧なバランスで完熟に達した。ワインは色濃く、ほとんど漆黒だ。第一のアロマは、ドライプラムの砂糖漬け、木いちごのジュレ、スパイスや、ヒマラヤ杉の香りである。カベルネ・フランが非常に多く含まれることで、爽やかさやエレガンス 、複雑性を持つミント系のタンニンを感じることができる。ワインはシルキーで芳醇。ファイナルはバランスが良く、やわらかで、それが数分にわたる余韻を残すことから、長期熟成向けのミレジムである。
素晴らしい夏のあと、やや天候に波があった9月中にぶどうの収穫が行われた。見事なクオリティのぶどう果実のお陰で、非常に伝統的な特徴を備えた、長期成熟向けのワインが完成した。目の覚めるような漆黒のローブを持つワインは、ブラックベリーにカカオのノートが融合したアロマが特徴。口に含んでしばらくすると、芳醇さと濃密さが際立つ。複雑かつ閉じられたファイナルにより、サン=テミリオンの典型的なこのミレジムから、爽やかさと長い余韻が奏でられる。
かつてないほど熟れが早い年であったものの、入念な摘果や除葉の根気を要する作業も功を奏し、8月の暑さと好天のお陰で非常に良質のぶどうが収穫できた。選果はぶどう畑と醸造所の両方で行われ、グラン・ヴァン(大いなるワイン)に占めるメルロの割合が高くなった(約60%)。濃い漆黒のローブと、カシス、ブルーベリー、木いちごのアロマが、果実のコンフィの複雑なアロマと交錯する。口当たりは濃厚で奥深く、素晴らしく構築されたタンニンはシルキーで繊細。スモークとなめし皮のノートからファイナルの長い余韻が続く。
このミレジムは、アンジェリュスでもきわめて特別の意味を持っている。難しい天候だったが、ぶどう畑への入念な手入れが功を奏し、完熟した健全な果実のみが収穫された。インク色のボディーに、ブラックベリー、レグリス(甘草)とタバコのアロマが際立ち、森の下草のノートを感じる。口に含むと芳醇で、ヴェルヴェットのようななめらかさで完璧に調和している。ファイナルは、素晴らしい成熟でしっかりインテグレートした緻密なタンニンが、絶妙なバランスでテイスティングを魅了する。
4月の厳しい霜により収穫は遅れ、収穫量も非常に少なかった。美しい色のワインは、熟した果実とコーヒーの複雑なアロマを持ち、森の下草のノートが混ざっている。ストラクチャーはしなやかだが張りがあり繊細。
9月の素晴らしい天候のおかげで、パーセル(区画)毎に、最適な時期のぶどう収穫が可能となった。ぶどうの果実には糖とフェノールの成分が非常に凝縮し、贅沢なアロマによる表現豊かなワインになった。木いちご、カシス、スモークのアロマ。口に含むとやわらかで芳醇、気品ただよう。ファイナルは調和し、余韻も長い。
熟れが早い年であったこと、そして芳醇で、素晴らしい成熟度がこのミレジムの特徴である。ぶどうは例年より3週間以上も早く収穫された。ローブは濃厚、アロマの種類は驚くほど幅広く、スパイス、タバコ、レグリス(甘草)のノートを感じられる。豊満で芳醇なワインは、力強さとバランスの完璧なマリアージュの賜物だ。
雨の多い冬と春だったが、9月の気候は大変乾燥し、タンニンと色の凝縮に有利に作用した。ぶどうの果皮は非常に厚い。深みのある色を持つこのワインは気品と繊細さだけでなく、見事なストラクチャーのタンニンが特徴。